昭和レトロ ー出町子供歌舞伎曳山ー

全般

砺波市出町地区で行われる出町子供歌舞伎曳山は約240年の歴史があり、今年は僕の住む「中町(なかまち)」が当番町です。

今回の外題(演目)は、「戎詣恋釣針 釣女 (えびすもうで こいのつりばり つりおんな)」と「御所桜堀川夜討 弁慶上使の場(ごしょざくらほりかわようち べんけいじょうしのば)」で、1月から稽古を開始し、先ごろ立稽古も始まりました。

本番は4月29日・30日で、チューリップフェア特別公演を5月3日に文化会館で行います。InstagramXFaceBookで最新情報をUPしてますので、ぜひチェックしてみてください。

これだけの長い歴史があるので、創業120年の当店も曳山には少々かかわりがあります。
先日ブログでもUPしましたが、明治に初代が俄(ニワカ)で狂言役者をやっていましたし、大正時代に祖父(フクイ紙店二代目)が曳山の世話をしていたようで記念写真に写っています。

大正15年4月の祭礼時の中町曳山の記念写真。役員最前列右端の羽織をきているのが祖父

父(三代目)の子供時代は戦争中で出演できず、その後もっぱら世話役(運営)で、昭和41年に姉、46年に僕(四代目)、51年に弟が出演しています。
次の世代では僕の次男が平成25年・平成28年に出演しました。

出町歌舞伎の特徴としては、役者(小学生)のみならず、衣装・浄瑠璃大夫・三味線も極力地元で固めているところです。
出町子供歌舞伎曳山会館でも衣装や鬘(かつら)が展示されていますが、他にも中町の倉庫(曳山会館内)には、出演した役者の家から寄贈された衣装がたくさん残っています。

衣装寄贈は明治・大正から昭和40年ころまで行われていたようですが、着物を作るのは大変高額になることや、今は着物を着る機会がないこともあり、寄贈する人は最近は皆無です。

貴重な衣装なので、中町では年に一度衣装の「虫干し」を行っています。
このイベントは町の呉服屋さんや年配の女性から着物の扱い方やたたみ方を受け継ぐ貴重な機会でしたが、今はそのような経験のある方がいなくなり伝承が難しくなっています。

また、せっかくの貴重な衣装も、今の小学生は大柄のためサイズがあわず、祭礼の本番時は貸衣装になってしまうことが多いのが実情です。
生地が劣化して洗濯するとボロボロになり、汚れが取れないのも多く、このたくさんの衣装を今後どうするか、、、課題の一つです。

また、地元では明治の頃から浄瑠璃や三味線をたしなむ方がたくさんおられ(出町浄瑠璃)、中でも名人級の腕前をもつ方々は三島町の瑞祥寺(永安軒)に石碑や法名録に刻まれ、毎年5月に法要が執り行われます。

浄瑠璃や三味線などの芸事は日々の鍛錬のたまものですが、町では昔も今も上方から師匠を招いて稽古をつけてもらっています。
当店の隣にあった旧寺井菓子舗の店主(寺井和兵衛)は浄瑠璃の名人だったそうで、寺井さんの蔵には床本がたくさん残っていました。
(素人目には珍しいのですが、ネットで検索すると同じような床本がいろいろ出ており、貴重なものかどうかは不明です^^;)

床本には浄瑠璃の息継ぎや強弱のつけかたのような記号があり興味深いです。(上記の5枚目)
最後の頁に稽古の記録がメモしてある床本もありました。

一番左の写真には「大正12年に福居方で稽古 文楽座竹本淀路大夫」と読み取れます。
台本は「摂州合邦辻」(一覧の最後から2枚目)で、今でも大歌舞伎で演じられるお話です。
当店でどんな稽古だったのか想像するだけでワクワクしますね。

コメントお待ちしております。

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