筆(ふで)・墨(すみ)

全般

NHK大河ドラマ「光る君へ」の影響か、あるいは秋の作品展が近づいてきたためか、筆や墨についてお問い合わせを受けております。
パソコンが普及する20~30年位前までは、砺波野のいろいろなお店で筆を扱っていたのですが、最近はお店が少なくなり、当店でも在庫を抱えることが難しくなってきました。
また、需要が減ったこと、職人の高齢化により製造も難しくなり、品物そのものが少なくなり、価格も高騰しています。

筆は、太さや穂の長さの他に、ご使用になられる方の筆圧・好みによるところがあり、ネットや電話ではなかなか伝わらないために、当店では専門の担当がご相談に応じております。ご来店お待ちしております。(平日は14時~16時)

このほか、絵手紙・水墨画用、夜高行灯用の絵筆・ロー筆もございます。

筆の使用後の注意

1)太筆
・使用後は穂についている墨を手でもむように水洗いします。洗筆後は反古紙(書き捨てた紙、いらなくなった紙)などで形を整えながら水分をとって下さい。穂先を下にして風通しのよいところに保管ください。

2)細筆
・墨の含んだところまで水に浸し、反古紙で形をととのえながら水分をとって下さい。

3)その他の注意
・購入時に穂先についているポリキャップは捨て、使用後は筆巻等の風通しのよい保管具を利用下さい。
・筆を長期間保存する場合は風通しの良い場所に防虫剤と一緒に収納下さい。
・筆の毛はアルカリ性を嫌いますので、石鹸等で洗わないようにして下さい。

硯(すずり)で擦る墨には以下の種類があります。

松煙墨・・・松のすすを用いた墨。うす青色をおびて墨色の変化にとむ。普通は黒い色であるが青味をおびた青墨、茶色をおびた茶墨、紅を加えた紅花墨といったものもある。

油煙墨・・・菜種油、桐油(とうゆ)、ごま油などのすすから製した墨。薄茶色をおびてつやがある。

唐墨・・・中国製。和墨に比してニカワ分が多い。中国の紙に適する。

和墨・・・国産。日本の紙に適する。

※墨は4~5年くらいたったものが使い頃
※墨は静かに擦り使用後はよく拭き取り。湿気をさけるのが墨を上手に用いるコツである。
※墨の大きさは重で表す。15gが一丁。2~3丁が一般的。

この他に、時間短縮のためや素材に合わせるために、液体の墨を使うことが多くなりました。メーカーによれば下記のような違いがあるそうです。

墨汁・・・カーボンブラックで顔料にニカワを使用。耐水性で光沢あり、材木・ポスター・魚拓・イラストなどに適する。

墨彩・墨液・墨滴・・・カーボンブラック顔料に合成樹脂を使用。乾きが早い、深みのある墨色。筆の伸び、基線とにじみの調和、安定した品質で、書道用として特質の液体墨

墨の華・・・乾きが早い、優美な墨色。優雅な芳香。唐墨にまさる味わいがある。作品用、揮毫用として最適。表装可能。

ご質問・コメントお待ちしております。

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