両親はスポーツが好きだったためか、なぜか家には卓球台がありました。
現在の卓球台はほとんどがプラスチックとアルミパイプだと思うのですが、昭和40年代の卓球台は純木製で、堅牢なものの、片側の一面が140cm四方、脚は直径10cmの丸太4本がX状に組んであり、天板で約20kg、脚4本で約30kgと重く、移動して組み立てるのは一苦労です。
小学生の頃は、自宅のハナレの1階で両親や友達と卓球をしていた思い出があります。
30年前にハナレを改築した際に置き場がなくなり、たたんで物置にしまっていましたが、僕の子供が卓球に興味がでてきたようなので、店の2階のホールを片付け、20年ぶりに設置しました。
苦労して設置したものの、長年の経年変化で板が割れて隙間ができており、ここにピンポン玉があたると思わぬところにバウンドしてしまい、子供達には不評。
結局あまり使われず、店の大判の紙を広げるときの作業台になってました。
今年、店舗を新築することになり、現在の店舗は解体の予定です。
これにともなって卓球台も店舗と一緒に廃棄の予定です。
一方、新店舗のレイアウトで作業を考えると大判の紙を広げられる作業机が必要です。
新規の購入も考えましたが、予算的にも厳しいところがあるので、卓球台を縮小して作り直し、作業台として生まれ変わらせることにしました。
1号機(脚をH型)
まず一方を机化してみました。
手持ちの工具はスライディング丸鋸、ジグソー、レシプロソー、ドリルです。
スライディング丸鋸は角度を正確に安全に切れるものの、長さが30cm弱しか切断できません。
ジグソーは自在に切れるものの、逆にまっすぐに切るのが難しく、補助治具が必要です。
レシプロソーはざっくりですが、早く切断できます。
今回は天板(実際にはホゾで差し込まれた板の組み合わせ)の割れを利用するので、周囲の枡形の枠をスライディング丸鋸で切れば分離できました。




天板の脚を差し込む穴を残し、その穴に入るように脚の間隔を決めて、脚をはずせるようにしてH型のまま切り取りました。
脚と切り詰めた角材は外したL金具を再利用しましたが、ホゾはないので、反対側にもL金具を追加しました。
組み立ててみると、グラグラで倒れそうです。
そこで余った天板の板を棚板にしました。
しかし倒れることはないものの、まだグラグラし不安定です。
天板の脚を入れる穴の深さが5cm程度で隙間も多く、金具で固定してないのがダメなようです。
そこで4本の脚と天板を金具でつないで補強することにしました。
ネジ穴はM8の鬼目ナットを埋め込みます。
M8の鬼目ナットでも埋め込む穴は11φ~12φで、埋め込むのに10φの六角レンチが必要でした。
手持ちになかったので、11φのドリル刃と六角レンチも購入し、組付け。
これでようやく完成です。


2号機(脚をX組)
1号機の構造では結局金具で補強が必要になり、棚板の使い勝手もよくなかったので、2号機は脚のX組のまま縮小することにしました。


X組の中心の穴は、ドリルで1回であけられないので、計算して位置を決めて分割して穴をあけたもののボルトが一気通貫で入らない!
どこで間違えたかなぁ、、と反省し、実物であわせながら位置を決め穴をあけ直しです。
なんとかボルトも入り、X形に脚を広げ、天板をのせることができ完成です。
完成後、ずれた原因が判りました。
天板の巾がなんと上下で違っていたのです。
一辺が80cmですが、反対側は83cmと台形になっていました。
理由は天板にありました。
今回天板の巾を詰める作業を容易にするために、元の天板の割れを利用したのですが、この元板は実は斜めになった数本を組み合わせており、中央の60cmを抜いた時に、割れ面があわず、不均衡になったのでした。
1号機は特に問題なく合わさったので、もうひとつも同じと思って測らずに進めたのが失敗でした。
83cmから80cmになるように天板を切ればスッキリするのですが、140cmをまっすぐに切る工具が無いことと、X組の脚をまた作り直すのが大変という思いから、問題がおきるまでこのままにすることにします。
余った部材で3号機もつくり完成!
余った天板と脚を切り詰めて残った角材を組み合わせて60cmx140cmの作業机も作りました。
これは天板と脚を直接M8の2本のボルトで組付けましたが、幕板も棚板もないのでちょっと弱い感じです。
現店舗に設置してみました。

この後保護用にブラウンで塗装しました。
塗装抜きで、かかった費用は以下の通りです。
- 1号機用 L金具4個、板金具中4枚、板金具大4枚、M8ボルト8本、鬼目ナット8個、ネジ少々で計約7000円
- 2号機用 L金具4個、板金具中4枚、M10 50cmボルト・ナット ネジ少々で計約4000円
- 3号機用 M8ボルト8個、鬼目ナット8個で約1500円
木材が重いので製作に苦労し、完成度もイマイチですが、50年前の卓球台が蘇り満足です。
コメントお待ちしております。
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