星たちとの記憶 ー50年前・40年前・30年前の天文年鑑からー

全般

雑誌の断捨離で2017年の天文ガイドをみていたら12月号に「天文年鑑創刊70年」の特集がありました。
天文年鑑は理科年表の「天文」の章の数値データの他に、毎月の星空や太陽系・銀河・写真・トピックスなどあらゆる天文情報が掲載されたハンドブックでした。
戦後間もない1948年創刊だそうで、2018年で70年、今年(2026年)で78年になります。

僕が星に興味をもったのが1975年で天文年鑑は1976年版からもっていました。
1997年版まで購入していたようですが、学生時代のはなぜか抜けています。
インターネットがない中高時代での天文情報は、雑誌源がほとんどで、年間を通しての計画を立てるには天文年鑑は貴重でした。
1970年代のには、いろいろ自分の書き込みがあり懐かしく思い出されます。
1997年が最後なのは、この頃からネットに天文情報が増えたことと、家を建てて、仕事も家庭もいっぱいいっぱいで星を見る時間が減ったことからかなぁ、、、

50年前の1976年は、、、

下記の内容でした。

ことしの天界は少しさびしい。空の人気者火星は昨年12月9日に地球に近づいたばかりで、1月2月はまだ何とか火星観測もたのしめるが、それを過ぎると、望遠鏡を向けても目にうつるのは煙草の火のような火の玉だけ。もう観測には適しない。
年初から春にかけて土星が見ごろ、秋から年末にかけて木星が見ごろになる。たのしみである。その木星が6月24日の朝、月にかくされる。北海道をのぞいて全国で見られる計算にはなっているが、はたして見られるかどうか心もとない。6月24日は梅雨の最中であり、かりにその日快晴になったとしても、日出後のできごとなので、見えないのではあるまいか。
日食は2回、月食は1回おこるが、日本で見られるのは月食だけ。その月食も満足できる状態ではおこらない。5月14日の早朝、月没時近くになって欠けはじめ、日本の大部分では月が欠けたまま沈む。始めから終わりまで見られるのは(といっても、月の見かけの直径が約8分の1欠けるだけだが)、琉球諸島だけである。北海道の北半分では月食が全然見られない。
惑星の食は29回もおこる。しかし日本で見られそうなのは、前記木星の食だけ。恒星の食としては、スピカ(おとめ座α星、1.2等星)の食が2回おこる。7月5日におこる食は北海道以外で、9月25日におこる食は北海道だけで見られる。
回帰を予想される彗星は全部で12個あるが、出現確実とみられるのはダレスト、ポンーウィンネッケ、ハリントンーエイベルの3彗星だけ。彗星界もさびしい。

表紙の望遠鏡の写真は、この頃のアマチュア天文家の垂涎の白川天体観測所の30cm反赤です。
解説には「1976年はさびしい年」とありますが、この年の2月にウエスト彗星が発見され、日本でも3月から4月の明け方に、壮大な尾をひいた姿が観測されました。

翌年の1977年の天文年鑑にはその写真が載っています。

40年前の1986年は、、、

世の中はハレー彗星でわきかえっている。この珍客は、年初には夕暮れの西南の空で肉眼でも見えるほどに増光しているが、太陽の向こう側にかくれた、すぐに見えなくなる。2月9日の近日点通過ののち、3月はじめから明け方の東南の空に現れるが、日本では見にくいのが残念だ。4月11日の今回2度目の地球接近のときは、北緯35度の地点で高度10度にも達しない。「さきがけ」「すいせい」をはじめとする各国6機の探査機の成果が待ち遠しい。ハレー彗星は7月には地球から遠ざかって、次回2062年までのお別れだ。
ハレーを送ると次は火星の接近である。7月16日、地球との距離は6000万km、視直径は23.3秒となって、木星の半分より大きい。
木星も秋には高度が高くなって観測条件がよりよくなる。土星は環がますます開いて、光度も増加する。春から夏の好対象天体だ。
金星は年はじめ内合、10月末まで宵の明星として輝く。11月4日内合となり、明けの明星となる。水星の日面経過が13年ぶりに11月13日におこり、日本全国で見られる。
日食が2回あるが、いずれも日本からは見られない。皆既月食が4月24日と10月18日におこり、日本全国で見られる。
7月20日には折りから接近中の火星が月のうしろにかくれる。さそり座のアンタレスの星食も3回おこり、8月14日のものは条件が非常によい。
本年度版から日本水路協会の協力を得て内容を大きく変更した。惑星などの位置に視赤経、視赤緯を用いるのは、コンピュータ制御の望遠鏡が普及しはじめるのを見越した処置である。

ハレー彗星は76年周期で帰ってくるので、前年から詳細な予報が掲載されていますね。
僕も3月に小笠原へ見に行きました

30年前の1996年は、、、

展 望
1996年は4で割り切れるので閏年である。年干支は丙子(ひのえね)、平成8年、日本紀元2656年、明治129年、大正85年、昭和71年にあたる。あと約1800日で21世紀だ。
元日の干支は丁酉(ひのととり)、月曜日。世界時0時のユリウス日(JD)は、2450083.5、修正ユリウス日(MJD)は50083である。元日の正午(以下日本標準時)の月齢は10.0。年の最初の新月は、1月20日21時50分である。今年は元旦の9時0分0秒の直前に、+1秒のうるう秒を入れて、地球の自転の遅れによる世界時と原子時のずれを修正する。
今年は十二支の起点「子」の年にあたり、なにかと縁起をかつぎたくなる。「ね」にはねずみを当てているが、方位と時刻の起点でもある。真北が「子」の方角で、東回りに十二支を順に配置すると、「卯=東」、「午=南」、「酉=西」の方角となる。その間を「丑寅=北東」、「辰巳=南東」、「未申=南西」、「戌亥=北西」と呼び、北極星は「子」の星だ。
時刻の方は、夜半の0時が「子」の刻で、草木も眠る「丑」満つ時は、夜半過ぎの2時(天文仲間では26時)。昼の12時が「午」の刻である。
ここ数年間のこの欄で、大彗星の出現を要望してきたが、いよいよそれが現実となってきた。1995年7月に、米国の二人のアマチュアA.ヘールとT.ボップが発見した彗星C/1995 O1は、発見時に木星の軌道より遠く、太陽から7天文単位も離れていたのに、11等星と明るかったので、相当な大物らしい。1996年秋には肉眼でも見えるようになり、太陽に近づく1997年春には、マイナス等級まで増光することが予報されている。
今年から国民の祝日に、7月20日「海の日」が追加される。1876(明治9)年に明治天皇が、東北・北海道を巡行され、灯台巡視船「明治丸」で横浜に帰られた日で、海の恩恵を感謝し、海洋国日本の繁栄を願うものだ。これで、国民の祝日は年間14日となり、5月4日の国民の休日を加えて365日の4%になった。
環境基本政策に「光害」という言葉が初めて採用された。環境庁の星空ウォッチングが継続され、全国の光害マップが作成された。夜の美しい自然の星空を見上げる天文ファンと、ライトアップによって人工の美しさを演出したい照明関係者との、相反する利害は深刻である。共存を目指して、お互いの理解と努力が必要であろう。
1月17日の阪神淡路大震災では、多数の犠牲者が出た。深い哀悼の意を捧げたい。日本標準時の原点、東経135°の明石の天文科学館の時計塔が、05時46分で止まり、内部の設備が転倒した。各地の望遠鏡の被害もかなりあり、お見舞い申し上げ一日も早い復興をお祈りする。
震災にも劣らない人的被害を出して世の中を恐怖に陥れたオウム真理教事件の報道に宇宙関連の言葉が出ている。それだけ天文宇宙が一般化したのだろうか。

1990年の版から「展望」という表題でその年の解説が3ページにわたって記載されています。(上記は最初の1ページ分のみです。)

話題はやはり彗星ですね。観測技術が向上し1995年に発見されたヘールボップ彗星は、1996年末から肉眼でも見えるようになり、1997年春にはマイナス等級が予想されています。

この10年後の2007年はマックノート彗星がありましたが、2017年は不発でした。
(2020年にネオワイズ彗星、2024年に紫金山・アトラス彗星)
来年の2027年はどうなることでしょうか???

コメントを残す

コメント