会社員時代に取得した資格のひとつに「家電製品総合エンジニア」があります。
「一般財団法人 家電製品協会」が認定する民間資格で、
- 家電製品の豊富な知識で適切・迅速にトラブル対処や修理
- 家電製品の技術理論と動作原理を理解
- 家電の技術理論と動作原理を基礎から理解
- トラブルや不具合の原因を切り分けて特定し、正しい診断と処置
- 設置方法や初期設定、他の家電製品とのネットワーク設定などの最初のつまづきを解消するアドバイス
- 安全にご使用いただけるための点検や法規の知識により、安心をサポート
- 安全で上手な使い方のアドバイスや、使用いただき続けるための安全点検をアドバイス
- 電気を安全に扱う知識と法規を知り、適切な使い方をアドバイス
等々のメリットがあるとされています。
ただ、現実的にはこの資格があれば修理ができるわけでもないですし、ある程度汎用的な内容なので、個々の商品の使い方や使い勝手を知るには経験が必要でしょう。
家電の販売等、業界に身を置く方なら知識レベルの確認にはなるかと思います。
僕の場合、資格をとった2010年は、会社(電子部品メーカ)で家電メーカーへの部品の売り込みがミッションで、メーカーの技術者と一緒に課題解決するには、家電の原理・仕組みの知識が不可欠でした。
当時でもネットや専門書を探せば勉強することができましたが、偏った説明でなく、満遍なく知るには、通信教育と資格取得がピッタリでした。
資格の勉強では、元から電気が好きで、パソコンやネットワークの知識もそれなりにあったので、AV分野(黒物家電)はそれほど勉強せずともいけたのですが、白物家電や法規がなかなかの難物でした。

試験は、当時は近隣の会場で受験でしたが、今はCBT(Computer Based Testing)方式で全国のCBT試験所で受けることができるようです。
6割取れれば合格で、AVは9割、生活家電は7割取れてて無事合格しました。
この資格は5年間の限定のため、5年ごとに資格延長試験を受ける必要があります。
僕の場合は2015年が初めての更新で、このときは、マークシートを郵便で送る方式でした。
テキストを見ながらでも解答できるわけですから、出せば合格するようなものです。
ただテキストは、最新の家電動向がまとめてあるので、延長してそれなりに勉強する理由にはなりました。

2020年の更新ではWebでのテキスト確認・Webでのテストになり、先ごろの2025年の更新では証明書用の写真まですべてWebで完結しています。
資格の有効期限内では、家電製品協会のサイトに個人のマイスタディページが作られ、テキストや毎月のニュースメールを見ることができます。
ダウンロードはできないので、都度Loginが必要です。
実際に必要になる場面は少ないので、時間があったときにみる程度でしょうか。

現在は会社を退職し、家電業界にかかわることは皆無なので、2025年は延長するかどうかは迷いましたが、もっておけば再就職の足しになるかも、、、と思い延長しました。
これまでで資格の知識が役に立ったのは、先ごろ、National(Panasonic)の除湿器が故障して自力で直した時くらいですかね。

この機種はデシカント方式で、家電エンジニアのテキストに動作原理や配線例が載っていました。


故障の症状は、電源が入るものの、すぐにエラーになり動作しない、というものです。
F-Y603Zのマニュアルを確認すると、フィルターの目詰まり、吹出口不良とあります。

フィルターや吹出口付近を掃除機で徹底的に掃除しましたが、エラーは解消されません。
そこで分解です。
症状から、原因はセンサー(サーミスタ)不良と想定し、センサーもしくはセンサー基盤交換かなと思ってましたが、パッとみても半田やセンサーの劣化はなさそうです。


原因究明のために再度仮り組み立てをして電源を入れてみます。
最初はファンが回って送風開始しますが、すぐにエラーになって止まってしまいます。
何度も電源を入れなおして、よく観察してみると、、、ゼオライトの吸湿器が回転していないことに気づきました。
右の写真で、黒の吸湿器の横の黄色のモータが音はしているものの、軸が回転していません。
内部のギアが壊れたようです。
よって、メカニズムとしては、吸湿器が回転しない→ヒーターが特定の場所のみ温める→温度が異常に上がる→温度センサーが異常を検知→エラー表示しSTOP
のようです。
さて、対策としてはモータを交換すればよさそうですが、発売後20年経過しているので正規部品の入手は難しそうです。
ネットでいろいろあたってみると、中華製で同等品があることがわかりました。
ただ、固定するネジの位置や電源仕様、プラグは同じようなのですが、回転数が少し異なるようです。
他に代替はなさそうなので、Alibabaで注文し、届くのをまちます。

到着後モータを交換し、仮組み立て。
電源をいれると、、、モータが回り、吸湿器も回転しました。いけそうです!
元の状態にもどし、動作を確認します。
電源を入れてもエラーになることなく、動きました。
数日電源をいれておくと、水がたまっており、しっかり除湿できているようです。
よかった!よかった!
無事直り、買い替えせずに済みました。
このような問題解決の手順は品質管理の不良解析やQCサークルにも通じるものがありますね。
また、今回の不具合で、デシカント方式はヒーターで熱してるので、回転不良にセンサー不良が重なると発火の危険性があることを認識しました。
部品は経年劣化があるので注意が必要ですね。
コメントお待ちしております。

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